── ジップスタイルズ橋本代表に聞く、“買ってはいけない物件・狙うべき物件”の見極め方
インタビュアー:
最近は中古住宅や中古マンションを購入してリノベーションする方が増えていますよね。でも、「どんな物件を選べばいいのか分からない」という声もよく聞きます。建築士の視点では、どんな物件がおすすめなのでしょうか?
橋本:
リノベーションの成功は、実は工事よりも「物件選び」で決まると言っても過言ではありません。どんなに素敵なプランを考えても、建物の状態や構造によっては実現できないこともありますからね。
インタビュアー:
では、まず最初に見るべきポイントは何ですか?
橋本:
まずは「建物の骨格」です。人間でいう骨組みの部分ですね。築年数だけで判断するのではなく、構造がしっかりしているか、メンテナンスされてきたかを確認することが大切です。
特に戸建ての場合は、雨漏りの跡やシロアリ被害、基礎のひび割れなどをチェックしたいですね。
インタビュアー:
築年数が古いと避けた方がいいのでしょうか?
橋本:
必ずしもそうではありません。実は築年数が古くても、構造がしっかりしている物件はたくさんあります。
むしろ、最近は築40〜50年程度の住宅で、敷地にゆとりがあり、今ではなかなか手に入らない立地の物件もあります。そういった物件はリノベーションによって大きな価値を生み出せる可能性がありますね。
インタビュアー:
なるほど。では逆に、「これは注意した方がいい」という物件はありますか?
橋本:
ありますね。
例えば、雨漏りが長期間放置されていた建物や、建物の傾きが大きい物件です。もちろん改善できる場合もありますが、工事費用が大きく膨らむ可能性があります。
また、「安いから」という理由だけで購入すると、あとから予想以上の改修費がかかるケースもあります。
インタビュアー:
リノベーション向きの間取りというのもあるのでしょうか?
橋本:
あります。
例えば、昔ながらの細かく区切られた和室中心の家は、今のライフスタイルに合わせて広いLDKに変更しやすいケースがあります。
また、柱や壁の位置によっては大きな空間がつくりやすい物件もあります。建築士から見ると、「この家は化けるな」という物件があるんですよ。
インタビュアー:
「化ける物件」、面白い表現ですね(笑)。
橋本:
本当にそうなんです(笑)。
一見すると古く見える家でも、構造や立地が良ければ、リノベーションによって見違えるような住まいになります。
逆に見た目はきれいでも、構造面に課題がある物件もありますから、表面的な印象だけで判断しないことが大切です。
インタビュアー:
中古物件を探している方は、不動産会社だけでなく建築士にも相談した方が良さそうですね。
橋本:
まさにそこです。
私たちはよく「物件を買う前に相談してください」とお伝えしています。購入後に「思っていたリノベーションができない」と分かると非常にもったいないですから。
物件探しの段階から建築士が関わることで、リノベーション後の暮らしまで見据えた判断ができます。
インタビュアー:
最後に、これからリノベーションを検討している方へメッセージをお願いします。
橋本:
リノベーションは、古い家を新しくするだけではありません。
「この家でどんな暮らしをしたいか」を実現するための手段です。
だからこそ、物件選びは価格だけでなく、構造や立地、将来性まで含めて考えてほしいですね。
私たち建築士は、物件の“今”だけでなく、“これからの可能性”を見る仕事です。ぜひ購入前から相談していただければと思います。
※この記事は、三重県津市の住宅会社「ジップスタイルズ」橋本代表へのインタビューをもとに構成しています。
