── ジップスタイルズ・橋本代表に聞く、階段がつくる“空間の印象”
インタビュアー:
最近、施工事例を見ていると「階段が主役の家」って増えている気がします。リビング階段やスケルトン階段など、デザインの幅も広いですよね。正直、家の印象って階段でそんなに変わるものなんでしょうか?
橋本:
変わります。かなり変わります。
階段って「ただ2階に上がるための装置」だと思われがちなんですが、実は空間の“雰囲気を決める大きな要素”なんです。リビングに入った瞬間、視界に入る階段のデザインで、その家のテイストが決まることも多いですね。
インタビュアー:
たしかに、アイアンのスケルトン階段と、箱型の階段では、同じ間取りでも印象がまったく違いますよね。
橋本:
そうなんです。たとえば、
・スケルトン階段 → 開放感・抜け感・デザイン性
・箱階段 → 落ち着き・安心感・収納との相性
同じ“階段”でも、選び方で家のキャラクターが変わります。
インタビュアー:
デザイン重視でスケルトン階段を選ぶ方も多いですが、機能面での違いはありますか?
橋本:
ありますね。スケルトン階段は光や視線を通すので、リビングが明るく、広く感じやすい。一方で、冷暖房効率や音の伝わり方には配慮が必要です。
逆に箱階段は、空間をきちんと“区切る”ので、温熱環境は安定しやすいし、階段下を収納に使えるというメリットもあります。
インタビュアー:
なるほど、「かっこよさ」だけで決めると、住んでからギャップが出ることもありそうですね。
橋本:
まさにそこです。階段は“見た目・動線・快適性・安全性”をセットで考える必要があります。
たとえば、小さなお子さんがいるご家庭なら、踏み板の幅や手すりの形状、落下防止の工夫も大切ですし、将来のことを考えると勾配も重要になります。
インタビュアー:
階段って、毎日必ず使う場所ですもんね。
橋本:
そうなんです。毎日、何度も上り下りする場所だからこそ、「なんとなく」で決めてほしくない。
それに階段は、上下階を“つなぐ”だけでなく、家族の気配をつなぐ場所でもあるんです。リビング階段にすると、自然と顔を合わせる回数も増えますしね。
インタビュアー:
空間のデザインと、家族のコミュニケーション、両方に関わってくるんですね。
橋本:
はい。階段はインテリアであり、構造であり、生活動線でもある。だからこそ、設計の中では結構“気合いを入れて考えるパーツ”です。
インタビュアー:
これから家づくりをする方が、階段デザインを考えるときのポイントは何でしょうか?
橋本:
「その階段を、1日に何回使うか」「どんな空間にしたいか」「将来どう使うか」。
この3つを考えてみてください。
その答えが決まると、自然と“その家に合う階段”が見えてきます。階段は、家の魅力を静かに底上げしてくれる存在ですよ。
インタビュアー:
階段ひとつで、家の印象も暮らし方も変わる。奥が深いですね。
橋本:
ええ。だからこそ、階段は“ついで”じゃなく、“ちゃんとデザインする場所”なんです。
※この記事は、三重県津市の住宅会社「ジップスタイルズ」橋本代表へのインタビューをもとに構成しています。
